軌道滞在が1,400日を超えた 神舟11号の軌道モジュールが間もなく再突入

中国の神舟宇宙船は、帰還の際に分離する「軌道モジュール」がそのまま周回軌道に残り、無人で実験等を行っているとされる。

神舟11号は、2016年10月17日に打上げられ、天宮2号にドッキングした後、同年11月18日に帰還した。
神舟11号自体はもう忘却の彼方という感じだが、軌道モジュールは、現在も軌道上にある。間もなく打上げから4年になる。それまでのモジュールと比較して非常に滞在期間が長くなっていたが、ここにきて急激に減衰し、間もなく再突入する模様。

SPACE‐TRACKによる最新予報。
60日予報には掲載されず、いきなり詳細予報が出た。

衛星名:41868 SHENZHOU-11 MODULE(2016-061G)
予報元期:2020-10-04 03:24:00
落下日時:2020-10-07 02:53:00 (±15時間)
軌道:195×179㎞

明日、10月5日の18時17分頃に近畿地方上空の可視パスがあるが、近畿では薄明が強い。
東京では南西~南の仰角30度になるが、航海薄明が終わっているので、むしろ条件はよい(並んだ木星と土星のすぐ南を通過し影入り)。これほど低高度での可視パスは滅多にありませんので、よろしければぜひ。

SatEvo のPREDICTED TLE を使うと、Heavens-Above予報より20秒ほど早くなる。いずれにしても変化が大きいので、観察にあたっては、最新の軌道要素をチェックしたほうがよいです。

ところで、神舟11号モジュールは4年近くも単独で軌道に残った。
ではこれまでの機体はどのくらいの期間滞在したのか、調べてみた。
神舟モジュール一覧.jpg
帰還モジュール等と分離した日時は正確には分からないので、帰還モジュールが地球に着陸した日を分離した日とみなしている。

神舟11号モジュールは、今日(10月4日)時点で滞在が1,400日を超えており、他より突出して長い。
これは、スタート時点の高度396㎞が他よりも30~60㎞高いことが要因として大きい。
396㎞といえば、天宮2号ステーションと同じ高度だから、同ステーションと分離したその高度で、軌道モジュールを切り離したようである。(最終の逆噴射の直前になって軌道モジュールが分離すると勝手に思い込んでいたので勉強になった。)

他の機体のスタート地点として最も多いのは、336~340㎞だ。11号モジュールがこの高度まで下がってからの経過日数はどうだろうか。
11号モジュールの高度が340㎞まで下がったのは、2019年7月5日であった。今日までの経過日数は457日となる。スタート地点338㎞で滞在日数第3位の7号モジュールとほぼ同じである。

滞在日数第2位、898日の6号モジュールと比較するとどうか。6号モジュールのスタート地点は高度358㎞。11号モジュールがこの高度まで下がったのは、2018年10月23日で、今日までの経過日数は712日となり、6号モジュールの勝利(?)。
実質的に減衰が最も弱かったのは、6号モジュールということになろうか。

太陽活動周期との関係をみてみる。
第24周期の開始(極小)が、2008年12月である。第2位の6号モジュールは第23周期の末期、第3位の7号モジュールは第23周期と第24周期の境界期に軌道滞在している。 

第25周期の開始(極小)は、2019年12月である。今回の第1位、11号モジュールは、第24周期から第25周期の境界期に軌道滞在している。スタート地点が他よりも高いが、上記の通り、それを調整しても第3位に並ぶ滞在期間である。

太陽活動低下 → 軌道減衰が遅くなる の関係が表れている。

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