人工衛星の落下予報・光学観測

アクセスカウンタ

zoom RSS セイルを展開して再突入を早める実証衛星「INFLATESAIL」が明るい 

<<   作成日時 : 2017/07/30 19:56  

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 0

6月23日、PSLV-XLロケットにより、計31機の衛星が軌道に投入されました。このうちの1機「INFLATESAIL」は、10平方メートルのセイルを展開して高層大気による空気抵抗を増加させ、再突入時期を早める技術を実証するという興味深い超小型衛星。
先日、この衛星の可視パスをビデオ撮影したところ、明るく見えたので紹介します。

まずは、今回の31機の打上げについて。31機のうち、メインペイロードの地球観測衛星「Cartosat 2E」を含む8機が、インド宇宙研究機関により手配された衛星、残り23機はオランダの会社「Innovative Solutions in Space」社が手配した衛星とのこと。
詳細は同社のブログhttp://blog.isilaunch.com/successful-isilaunch19-campaign/を参照。
例えば、キャノン電子が開発した衛星「CE-SAT 1」は前者で、今回紹介する「INFLATESAIL」は後者になる。

INFLATESAILは、「QB50」というキューブサット衛星群を構成している。
「QB50」は、欧州委員会FP7 (Framework Program Seven)が資金を拠出し、フォン・カルマン研究所が運営するプロジェクトであり、世界中の大学が製作した多数のキューブサットを超低高度に配置し、観測を行うというもの。
これまで超低高度領域は、長円軌道に衛星を配置し、その近地点通過時に短時間観測するということしか行われていなかったが、この衛星群により、多数の地点を同時に、かつ、数カ月のオーダーで観測できるという画期的な計画。まさに、超小型衛星にうってつけと言える。

今回の打上げでは、INFLATESAILを含めて合計8機のQB50 キューブサットが軌道投入された。すでに、今年の5月にはISSから28機が放出されており、今回の投入で全36機の投入が完了した模様。なお、ISSからの28機放出は「QB50-ISS」、今回の8機打上げは「QB50-PL」と呼ばれる。プロジェクトの名称からして、当初は50機を投入する予定だったようだが、最終的に全部で36機ということになったようだ。

QB50には、軌道上での技術実証や教育などの目的もあり、INFLATESAILは、技術実証のための衛星。

ではどんな衛星か。打ち上げ時は3Uサイズ。軌道上で1メートルのマストが伸び、その先で10平方メートルの「抗力セイル」が展開する。このセイルにより、高層大気の抵抗をより強く受けることとなり、高度が低下、再突入時期が早まることになる。
1メートルのマストは、折り畳まれた状態で打ち上げられ、ガスにより膨張(インフレート)する。また一旦膨張すると硬化し、ガスがなくてもその形状を保つ。ガスは直後に排気される。
抗力セイルが将来実用化され、衛星に搭載する際には、ある程度、衛星本体から離れたところでセイルを展開しないと、衛星の各部分とセイルが干渉してしまう。マストを軽量化し、長く伸ばせるこの技術は重要。
セイルは既存技術の応用であるが、膨張マストは、この衛星のために開発されたとのこと。
衛星の詳細はこちら。
https://directory.eoportal.org/web/eoportal/satellite-missions/i/inflatesail

撮影は7月26日21時8分。北行する衛星がほぼ天頂で影から出た直後を捕捉。最初の画面、右上の輝星はりゅう座β星(2.8等)。
光度は5等台後半。
セイル自体は写真で見る限り、ほとんど透明で、太陽光をそれほどよく反射するとは思えないので、この明るさはちょっと不思議ではある。

撮影時の高度は490q。この高度ならば、通常なら数年単位で軌道に留まるだろうが、この衛星は違う。セイルの効果で、急激に軌道高度が落ちていく。実際、打上げから約1カ月で、同時打上げの他の衛星より30kmほど高度が下がっている。
直近5個のTLEをSatEvoにかけると、再突入は9月21日〜10月18日と出る。

今後の高度変化に大注目です。

WAT-902H2 ULTIMATE , Nikon 50mm F1.4
画質720Pで再生して下さい。


※このブログの更新はツイッターでどうぞ
 http://twitter.com/keck2keck2

テーマ

注目テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
セイルを展開して再突入を早める実証衛星「INFLATESAIL」が明るい  人工衛星の落下予報・光学観測/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる