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zoom RSS COSMOS 482 DESCENT CRAFT のパス動画 本当に金星探査機の着陸カプセルなのか

<<   作成日時 : 2017/02/25 16:05   >>

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という疑問を「スペースサイト!」様のゲストブックに投稿したところ、早速に掲載していただきました。詳細は、
http://spacesite.biz/space.guestbook14.htm
の17年1月27日付投稿をご覧ください。
現在はトップページでも情報提供を呼び掛けて頂いております。サイト管理人のみずもと様、ありがとうございました。

今回は、当該物体のパス動画をアップするとともに、投稿では書ききれなかった細かい部分を捕捉したいと思います。

まず、「DESCENT CRAFT」という用語について。
SPACE‐TRACKのカタログにおいては、ベネラ3〜8号までは、本体と着陸カプセルの区別がされていない。例えば、ベネラ8号だと、「VENERA 8(1972-021A)、1972/7/22 VENUS IMPACT」
といった具合。
ベネラ9号以降は、本体と着陸カプセルが区別されており、例えば、ベネラ9号だと本体が「VENERA 9 BUS」、着陸カプセルが「VENERA 9 DESCENT CRAFT、1975/10/22 VENUS IMPACT」となっている。
つまり、着陸カプセルを「DESCENT CRAFT」と表記している。
余談であるが、ベネラ3〜10までは軟着陸の成否に関わらず、「VENUS IMPACT」と表記され、ベネラ11〜14は「VENUS LANDING」と表記が変わっている。

コスモス482号関連でカタログに掲載されているのは以下の5物体。
打上げは1972年3月31日。括弧内はカタログ番号。dの後は、再突入年月日。

023A COSMOS 482(5919): d1981-05-05
023B SL-6 R/B(1)(5920) : d1972-04-01
023C SL-6 PLAT(5921) : d1972-04-02
023D SL-6 R/B(2)(5923) : d1983-02-20
023E COSMOS 482 DESCENT CRAFT(6073)

問題の物体(以下、「6073」という)だけカタログ番号がとんでいるのがポイントで、打上げ直後にはカタログに登載されていなかったことを示す。カタログ番号6073前後の物体をみると、6068が「PROGNOZ 2」で1972年6月29日打上げ、6075が「INTERCOSMOS 7」で同6月30日打上げである。
6073のTLEは7月5日元期のものが最初であり、上記2物体とあわせて考えると、7月初めにカタログに登載されたと思われる。
なぜ登載が遅れたか。もちろん、6073が「打上げ直後から存在していたが7月になるまで観測されなかった」可能性もあるが、このサイズの物体が、3カ月も観測網をすり抜けたと考えるより、「7月初めに発生した」、つまりCOSMOS 482又はSL-6 R/B(2)から分離したと考える方が自然である。

次に、問題の軌道。
以下は、1972年7月5日13時36分の、6073、コスモス482本体、SL-6 R/B(2)の位置。
なお、SL-6 R/B(2)はモルニヤMロケットの最上段(Blok-L)と思われる。
画像


近地点は3物体とも210q、遠地点はコスモス482本体とSL-6 R/B(2)が9,600q、6073は9,700q。
傾斜角、昇交点赤経、近地点引数は3物体ともほぼ同じであり、やや乱暴に言ってしまえば、同じ軌道をSL-6 R/B(2)→6073→コスモス482本体の順番で周回している状態である。

この3物体のように近地点が低い衛星は、通常、近地点通過のたびに強力な大気ブレーキを受け、遠地点が急激に減衰していく。実際、コスモス本体とロケットは、それぞれ1981年と1983年に再突入してしまっている。これに対して、6073は今でも軌道上にあり、遠地点も2,654qまでしか減衰していない。サイズの違いと言ってしまえばそれまでだが、この減衰率の大きな違いは興味深い。

次に、RCS(レーダー断面積)について。
3年ほど前から、SPACE‐TRACKではRCSについて、実際の数値ではなく、「LARGE」「MEDIUM」「SMALL」の三分類で表示するようになっている。6073は「「MEDIUM」(0.1〜1.0u)。
ところで、民間のサイトでは、過去に公表されていたRCSの実際の数値を保存しているところがある。例えば、Calskyというサイトの衛星データベースによると、6073のRCSは0.69uとなっている。筆者は着陸カプセルの正確な寸法を知らないので何とも言えないが、0.69uであれば結構いい線行っているのではないか。

最後に動画の説明を。
2016年12月3日朝の南行パスを撮影。最初の画面で左上の隅にある輝星はふたご座κ星(3.6等)。開始9秒でこの星に大接近する。この時点で高度900q、距離1,075q。光度は6等級。
撮影した約3分間のビデオから、30秒ほどを切り出してアップしている。3分の間、目立った増光・減光や、フレアは起こらなかった。
WAT-902H2 ULTIMATE , Nikon 105mm F1.8
画質720Pで再生して下さい。


明確に答えの出る問題ではないのでしょうが、個人的には、着陸カプセルであって欲しいなと思ってます。これが本当にカプセルならば、筆者の調べた限りでは、軌道投入に失敗した月・惑星等の探査機で、現在でも地球を周回しているのは、この物体だけです。


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